研究内容

弾性運動翼の渦度の成長・発達とその非定常流体力特性

非定常運動翼まわりの流れ場は,代表的非定常流れとして,古くから実験的/数値解析的研究が報告されている.特に,剛体運動翼に関する研究は,これまでに数多くの研究報告がなされており,本研究室でも,運動翼の後流構造とその非定常流体力特性を主に実験的に明らかにしてきた.近年では,弾性運動翼まわりの流れ場が注目されていることから,本研究室でも,その流れ場に関する研究を実験に加えて,流体構造連成解析による数値シミュレーションにより明らかにしている.特に,運動翼後流に巻き上がる渦の起源となる壁面近傍の渦度の成長および発達を定量的可視化計測の一つであるPIV計測と,汎用流体解析ソフトウェアANSYS- CFXによる流体構造連成解析により明らかにすることを目的とする.

Fluidic Oscillator から吹き出すSweeping Jet と主流の干渉により作り出す三次元渦構造の解明

流れのはく離は,流体機械の振動・騒音を引き起こし,その性能低下の主要因とされている.そのため,はく離の制御技術も様々な手法が提案されてきた.本研究では,Fluidic Oscillatorによるはく離制御技術の構築を目指し,Fluidic Oscillator から吹き出すSweeping Jet と主流と干渉により作り出される複雑な三次元渦構造の解明を目的にしている.Fluidic Oscillatorは,広範囲にジェットを噴出でき,内部構造のみで流体を振動させるため駆動部を必要としないことが最大の特徴である.特に,近年の3Dプリンタ技術の急速な発達もあり,機器内部に直接設計することも可能になり,その技術の拡大が期待されている.これまでに,Fluidic Oscillatorによるはく離制御技術に関する報告がなされているが,その多くは,抗力や横力への寄与であり,制御に至るまでの流れのメカニズムに関する報告はなされていない.特に,流れの可視化の観点からの,はく離制御メカニズムに関する報告は皆無である.そのため,Fluidic Oscillatorから吹き出すSweeping Jetが主流とどのように干渉し,どのような流れ構造を形成するかを明らかにすることで,高効率に流れ場を制御することが可能となる.本研究では,Fluidic Oscillatorから吹き出すSweeping Jetと主流との干渉による流れ場を定量的可視化計測法の一つであるステレオPIV計測により定量的に捉え,その複雑な三次元渦構造を明らかにすることを目的とする.

気泡塊の分裂メカニズムの解明

主流(液体)中に吹き込まれる空気は,Jet in Cross Flowと呼ばれる代表的直交流の一つであり,さらには,気液二相流となるため,その現象は非常に複雑となる.この現象は,化学反応を伴う実用現象として重要視されており,特に,吹き込まれた空気を気泡塊として留まることなく,瞬時に微細化する必要がある.しかしながら,気泡塊から気泡への微細化は容易ではなく,そのメカニズムおよび,それに寄与するパラメータも不明である.本研究では,主流中に吹き出される気泡を対象に,気泡塊から気泡への分裂および微細化メカニズムを明らかにすることを目的とする.具体的には,汎用市販流体解析ソフトウェアANSYS CFXを用いた3次元数値シミュレーション,定性的可視化計測,さらには,PIV計測による定量的可視化計測により,気液界面の動的挙動に注目し,気泡塊から気泡へ分裂する過程を可視化することで,そのメカニズムを明らかにする.

蝶の翅が作り出す渦流れ構造とその非定常流体力特性の解明

蝶は,変形する翅の羽ばたき運動により,飛翔に必要な流体力を得ることが可能となり,自由に飛翔している.これまでに,その翅の運動メカニズムだけでなく,離陸飛翔と同等の翅の挙動を示す脚を固定した状態の蝶の翅まわりに形成される渦輪とその羽ばたき一周期の動的挙動を二次元PIVにより明らかにした.さらには,スキャニングPIVおよびステレオPIVにより,自由飛翔する蝶の後流に発達する三次元渦構造(渦輪)を捉えることにも成功した.しかしながら,この渦輪と蝶が生み出す非定常流体力の関連付けは十分に行われていない.本研究では,蝶の翅の羽ばたき運動により生成される渦輪の動的挙動と蝶が生み出す非定常揚力の関係を明らかにすることを目的とする.具体的には,蝶の翅の羽ばたき運動により生み出される非定常揚力を小型六軸力覚センサにより計測し,それと同期したPIV計測により,流れ場を定量的に明らかにし,これらを関連付けることで,蝶の翅が作り出す渦流れ構造とその非定常流体力特性を明らかにすることを目的とする.

導電性高分子ソフトアクチュエータ(人工筋肉)の開発

導電性高分子薄膜は,イオンの脱注入により体積変化を起こす電解伸縮特性を有していることから「分子マシン」と呼ばれ,この電界伸縮により,伸縮,曲げ,ねじれ運動するソフトアクチュエータとしての応用が期待されている.薄膜,軽量でありながら,低電圧(<1.0V)でしなやかに変形し,水中,空気中,特殊溶液中(2.0<pH<8.0)で駆動し,その単位面積当たりの力は,人間の筋肉の100倍以上である新機能性材料としても知られている.これまでに,微小流体を送液するマイクロポンプ,さらには,目標値(mmオーダー)に瞬間的に移動し,振動することなく維持するオートフォーカスデバイスの開発に成功した.その一方で,工学的応用を考えると,その変形量,応答性および耐久性が十分でないことも明らかになった.そのため,アニオン(陰イオン)およびカチオン(陽イオン)駆動層を接合したバイモルフ構造の導電性高分子薄膜を開発し,酸化および還元時に,両層が同時に逆方向の電解伸縮を起こすことで,変形量が飛躍的に上昇することを明らかにし,続いて,電気化学的アプローチにより,その劣化を抑制し,高耐久性の実現が可能となった.残された課題は,応答性の改善であり,この解決こそが,さらなる工学的応用技術への展開の鍵となる.本研究では,電解伸縮機能を十分に発揮できるアニオンおよびカチオン駆動層の最適化設計を確立し,大変形,高応答,高耐久性を実現するソフトアクチュエータの創製,さらには,工学的応用に向けた実用化を目指している.

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